複合機のクラウド連携とは?活用するメリットやおすすめ複合機を紹介

複合機・コピー機

現在の複合機は従来に比べて進化しており、機能が多様化しています。
複合機を利用している、複合機の導入を検討している方のなかには、複合機のクラウド連携について聞いたことがある方もいるでしょう。

今回は複合機のクラウド連携とはそもそも何なのかを解説します。
また、活用するメリットやおすすめの複合機もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

複合機のクラウド連携とは

「クラウド」とは本来「雲」を意味する英語で、インターネット上のサービスを、物理的な実態がない雲のような存在になぞらえたことから名付けられました。
もともとソフトやツール、アプリを使うには、パソコンなどのハードウェアにインストールしなければなりませんでしたが、クラウド連携ではインストールは不要です。

複合機におけるクラウド連携とは、複合機で扱うデータをクラウド上で共有したり、管理したりすることです。
つまり、インターネットを使って利用できる機能を指します。
ただし、この機能はあらかじめクラウド対応が施された機種でのみ利用できます。

複合機のクラウド連携により活用できる主な機能

ここではまず、複合機のクラウド連携で活用できる主な機能として、以下の3つを紹介します。

  • 周辺デバイスで閲覧・編集ができる
  • 複合機から直接クラウドに保存できる
  • クラウド保存されたデータを複合機で印刷できる

複合機から直接クラウドに保存できる

複合機でスキャンした文章は直接クラウドに保存できるようになっているため、複合機内蔵のストレージや外部ストレージに保存する必要がありません。
そのため、複合機内のストレージ容量を圧迫せず、保存作業もスムーズに行えます。

また、USBメモリや接続ケーブルが不要になるため、使いやすさも向上するでしょう。
さらに、資料や書類を印刷する必要がなくなるため、ペーパーレス化にもつながります。

クラウド保存されたデータを複合機で印刷できる

クラウドに保存されたデータを、複合機から直接印刷することも可能です。
そのため、パソコンを介してデータをダウンロード・印刷するという手間が省けるのがポイントです。
結果的に時間短縮になるため、業務効率アップにつながるでしょう。

周辺デバイスで閲覧・編集ができる

クラウド上に保存されたOfficeファイルは、パソコンやタブレットなどの周辺デバイスからも閲覧できます。
さらに、一部のサービスではファイルをダウンロードせずにそのままオンライン上で編集することも可能です。

FAXで受信したデータも、自動的にクラウドストレージに保存される設定にしておけば、どこにいてもアクセスできます。
職場に行かなくても、テレワークや出張先でも利用できるのが利点です。テレワークを推進している企業にはなくてはならない機能といえるでしょう。

複合機のクラウド連携を活用するメリット

ここからは、複合機のクラウド連携を活用して得られるメリットとして、以下の6つをご紹介します。

  • 意思決定の迅速化につながる
  • ペーパーレス化によりコストを削減できる
  • 柔軟な働き方に対応できる
  • BCP対策に活用できる
  • 紛失や持ち出しによる情報漏洩リスクを低減できる
  • 電子帳簿保存法に対応しやすくなる

意思決定の迅速化につながる

クラウド連携を活用すれば、時間や場所にとらわれず情報へアクセスできるようになります。
そのため、利用者は必要な情報をリアルタイムで確認し、スピーディーに判断を下せるようになるでしょう
社会のスピードが速くなりつつある現代において、意思決定の迅速化は欠かせません。

また、パソコン操作にかかる時間も短縮できるため、情報共有のスピードが速くなります。
こうした積み重ねが、結果として意思決定までの時間短縮にも大きく貢献します。

ペーパーレス化によりコストを削減できる

近年注目されているペーパーレス化も、クラウド連携によって実現しやすくなります。
FAXやスキャンしたデータをクラウドストレージに保存することで、紙に印刷しなくてもスマートフォンやパソコンから直接閲覧・編集が可能です。

紙やインク、保管スペースといったコストが削減できるうえ、資料のやり取りもスムーズになります。
実際に、ペーパーレス化によってコスト削減につながったという企業もあります。

柔軟な働き方に対応できる

クラウド上でデータを一元管理することで、オフィスにいなくても同じ環境で仕事ができるようになります。
自宅、コワーキングスペース、出張先など、どこからでもデータにアクセス可能なため、テレワークやハイブリッドワークの導入が容易になります。

書類のやりとりのために出社する必要がなくなるため、社員の手間や負担軽減にもつながるでしょう。
働き方改革を進める企業にとっては、クラウド連携は重要なツールといえます。

BCP対策に活用できる

BCP(事業継続計画)対策とは、天災や人災による災害時に事業への被害を最小限にし、迅速に事業の復旧と継続ができるように対策することです。

例えば、災害やパンデミックなどで出社が困難な状況でも、クラウド上のデータにアクセスできれば、業務を止めることなく継続できます。
実際に、コロナ禍でテレワークが生じた際に、クラウド連携を進めていたおかげで業務に支障が少なかったという企業があります。

紛失や持ち出しによる情報漏洩リスクを低減できる

「クラウドは不安」という声もありますが、実際には従来の方法より安全性が高いケースも少なくありません。
今まではデータをUSBメモリやSDカードに保存して持ち出すことも多く、これには紛失と情報漏洩のリスクをはらんでいました。

一方で、クラウド連携ではデータを持ち歩く必要がなく、紛失のリスクが低くなります。
複合機のクラウド連携ではログイン管理やアクセス権限の設定が可能なため、セキュリティが高くなり、情報漏洩のリスクが低減されます。

なお、ファイルの復元もできるため、なんらかのトラブルによってファイルを削除してしまっても安心です。

電子帳簿保存法に対応しやすくなる

2024年(令和6年)1月からスタートした電子帳簿保存法への対応にも、クラウド連携は役立ちます。

電子取引データの保存が義務化され、「保存形式の指定」や「改ざん防止の要件」を満たす必要がありますが、クラウド連携対応の複合機であれば、スキャンデータを自動的に対応フォルダに振り分けたり、検索性を確保した状態で保存することが可能です

手作業での管理が不要になるため、事務作業の効率化・正確性の向上も図れます。

【メーカー別】複合機のクラウド連携サービス

ここでは、複合機のクラウド連携サービスについて、以下のメーカー別に分けて解説します。

  • 富士フイルム
  • リコー
  • キヤノン
  • シャープ
  • コニカミノルタ
  • 京セラ
  • ムラテック

富士フイルム

富士フイルムでは「Cloud Service Hub 」を提供しています。
複数の主要クラウドストレージを一元管理でき、効率的な情報共有と業務フローの最適化を実現できます。

また、最大2万ユーザーの登録が可能となっており、大規模な組織でも安心して運用できるでしょう。
SSL証明書/SSL暗号化に対応した強固なセキュリティを採用しているため、安心感も抜群です。
また、6つの外国語にも対応しています。

その他、スキャンデータをクラウドに直接保存し、複合機からのデータ検索やプリント、オフィス外からのファイル管理、ファイルの横断検索、印刷用ファイル形式への自動変換などができるようになっています。

参考:Cloud Service Hub : 商品情報 - ソフトウェア / クラウドサービス

リコー

リコーでは、RICOH カンタンストレージ活用シリーズによって、パソコンを使わずに複合機単体でさまざまなクラウド操作が可能です。

複合機の画面カスタマイズ機能によって、保存先や文書の印刷ボタンを複合機上に自由に設定できるのが特徴です。
また、辞書取込機能によりファイル名を入力する負担を省略できます。

さらに、Azure ADとの連携をすれば、アカウント情報の流用ができるのも特徴です。
スキャンデータやOCR処理されたデータのクラウド保存、クラウド上の保存データの印刷、オフィス外からのデータへのアクセス保存、データのプリントアウトなど、さまざまな機能に対応しています。

さらに、4桁のパスコードによる簡単ログインなど、操作性にも配慮された設計となっています。

参考:RICOH カンタンストレージ活用シリーズ

キヤノン

キヤノンでは「uniFLOW Online」という、imageRUNNER ADVANCE(複合機)と外部クラウドサービスをつなげるクラウド連携を提供しています。

複合機からスキャンデータを即座にクラウドへ保存・共有でき、スムーズな情報共有や業務効率の向上が可能です。
個人の利用状況を分析し、業務の無駄を省く集計レポートもあるのが特徴です。また、個人認証を採用しているため、情報漏洩リスクを低減します。

その他、モバイル印刷ができる点もメリットです。定型フォーマットの読み取り・自動ファイリングなどの機能もついています。

参考:uniFLOW Online|ドキュメントマネジメントソフトウエア|キヤノン

シャープ

シャープのクラウド連携サービスは「クラウドソリューション」といい、シャープの複合機の多くが対象となっています。
スキャンデータの各種クラウドストレージ保存、複合機からクラウド上の保存データの直接印刷などが可能です。

シャープのクラウド連携は、3ステップでプリントできるシンプルな操作方法が魅力であり、機械が苦手な方でも安心して利用できるのが特徴です。

なお、オンラインメールサービスにも対応しています。その他、モバイル端末からのデータ閲覧・編集も可能です。

参考:クラウドソリューション|オフィスソリューション:シャープ

コニカミノルタ

コニカミノルタでは「bizhub essentials」という複合機とクラウドストレージを連携させて、新たな活用シーンを提供するサービスを用意しています。

コニカミノルタのクラウド連携は、直接複合機のクラウドストレージのフォルダを選択し、保存できるのが特徴です
オフィス外のさまざまなデバイスから指定した複合機に印刷の指示が出せるようになっています。

その他、FAX受信文書やスキャン文書を自動で仕分け保存してくれるので、業務効率化も期待できます。

参考:複合機連携サービス - INFO-Palette Cloud

京セラ

京セラの「Kyocera Cloud Print and Scan」は、セキュアなクラウド印刷・スキャン環境を構築するクラウドアプリケーションです。
情報漏洩リスクを最小限に抑えながら、業務のモバイル化をサポートします

京セラのクラウド連携では、いつでもどこでも印刷やスキャンができるため、オフィスを分散化したい場合にもおすすめです
また、すでに使っているクラウドと連携できるのも魅力です。その他、受信したFAXのクラウド転送もできます。

参考:Kyocera Cloud Print and Scan | 京セラドキュメントソリューションズ

ムラテック

ムラテックのモバイルアプリケーションでは、クラウドのデータを社外で共有するための専用クラウドストレージ「IG CLOUDshare」を用意しています。

ムラテックのクラウド連携は、データを安全に共有できるようになっています。
また、オフィス外でFAXを確認したり、編集して直接返信できるのも特徴です。
さらに、タブレットやスマートフォンに保存されているデータを、無線LANを経由して複合機本体で直接印刷できるのも大きなメリットでしょう。

クラウド連携可能なおすすめ複合機3選

ここからは、クラウド連携に可能なおすすめ複合機として、以下の3つを紹介します。

  • 京セラ/TASKalfa 2554ci / 2554ci W
  • 富士フィルム/Apeos C7070 / C6570 / C5570 / C4570 / C3570 / C3070 / C2570
  • ムラテック/MFX-8239

京セラ/TASKalfa 2554ci / 2554ci W

画像出典:TASKalfa 2554ci / 2554ci W|株式会社ファースト

京セラ/TASKalfa 2554ci / 2554ci Wは、テレワークや多様な働き方に柔軟に対応できる京セラの高機能複合機です。
無償アプリ「KYOCERA Mobile Print」を活用すれば、スマートフォンやタブレットから直接印刷・スキャンが可能。オフィス内外を問わず、スムーズな文書の入出力が行えます。

さらに、スキャン時にはOCR処理によって文字認識が行え、クラウドや社内システムとの連携機能も搭載しています。
紙文書をデジタルデータとして有効活用でき、業務効率の向上とペーパーレス化の実現が可能です。

参考:TASKalfa 2554ci / 2554ci W|株式会社ファースト

富士フィルム/Apeos C7070 / C6570 / C5570 / C4570 / C3570 / C3070 / C2570

画像出典:Apeos C7070 / C6570 / C5570 / C4570 / C3570 / C3070 / C2570|株式会社ファースト

富士フィルム/Apeos C7070 / C6570 / C5570 / C4570 / C3570 / C3070 / C2570は、インターネット接続があればどこからでもクラウドストレージ「Working Folder」にアクセスできます。外出先や在宅勤務中でも、文書の閲覧・編集・共有が行えます。

複合機やDocuWorksなどのモバイル端末とのスムーズな連携ができる、複合機の操作パネルでWorkingFolder内の文書を出力できるなど、使い勝手も抜群です。
複合機でスキャンすれば、ファイル名付与、格納、メール通知も可能です。

参考:Apeos C7070 / C6570 / C5570 / C4570 / C3570 / C3070 / C2570|株式会社ファースト

ムラテック/MFX-8239

画像出典:MFX-8239|株式会社ファースト

ムラテック/MFX-8239はネットワーク機能フル搭載の機種です。
パソコンを起動せずとも、受信したFAXをメモリに保存し、プレビューで内容を確認してから印刷することが可能です。
さらに、ISモデルでは送信済みの文書も画面上で確認できます。

また、スキャンはTWAINボックス、E-mail、ネットワーク共有フォルダ、FTPサーバー、Information serverのボックスなど、さまざまなところに簡単操作で送信・保存できるようになっています。
加えて、カラースキャンした原稿を「スキャンtoプリントモニター」経由でネットワーク内のカラープリンターへ転送すれば、手軽にカラーコピーが行えるのも特長です。

参考:MFX-8239|株式会社ファースト

まとめ

複合機で扱うデータをクラウド上で共有・管理するのがクラウド連携です。
基本的な機能は、クラウドへの直接保存、クラウド保存されたデータを複合機で印刷、周辺デバイスでの閲覧・編集です。
これらをうまく活用すれば、業務効率化を図ることができます。
その他にも、コスト削減、柔軟な働き方への対応、BCP対策、情報漏洩リスクの低減など、メリットがたくさんあります。

今回ご紹介した複合機は、株式会社ファーストがおすすめする、機能性とクラウド活用に優れた機種です。
詳しい情報を知りたい方、導入をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
経験豊富な担当者が最適な機種をご提案いたします。

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