ネット回線の法人用と個人用の違いは?メリット・デメリットやケース別のおすすめを紹介

ネットワークセキュリティ

「法人と個人向けのネット回線って何が違うの?」
「うちの会社に合った回線はどれ?」
といった疑問をお持ちではありませんか?

この記事では、法人向けと個人向けインターネット回線の違いや、それぞれのメリット・デメリット、選定時のポイントなどについてご紹介します。

ネット回線の法人向けと個人向けはどう違う?

法人向けと個人向けのインターネット回線の主な違いは次のとおりです。

  • 契約形態
  • 想定される利用目的
  • サービスの品質
  • セキュリティレベル
  • 固定IPアドレスの有無
  • サポート体制
  • 帯域保証の有無
  • 料金

ビジネスの成否を左右するものもあるため、違いを十分に把握したうえで、自社に合うものを選びましょう。

契約形態

法人向けのネット回線は法人名義での契約が基本です。
請求書も法人名義で発行されるため、経費計上がスムーズに行えます。
これにより会計処理や税務申告の手間が削減され、複数拠点を持つ企業では本社で一括して契約を管理することが可能です。

一方、個人向け回線は個人名義での契約が原則です。
事業で利用する場合には、業務用と私用の区別をつけ、家事按分を行う必要があるなど、経理面での手間が発生します。

想定される利用目的

法人向け回線は、ビジネス利用を前提に設計されており、多数の従業員による同時接続や、拠点間でのデータ通信などが可能です。
また、セキュリティレベルも高く保たれています。

個人向け回線は、Webサイト閲覧や動画視聴、SNS利用など、少人数での利用を主な目的としています。

サービスの品質

法人向けのネット回線は、企業の安定稼働を支えるため、高速かつ信頼性の高い通信環境を提供します。
具体的には、「帯域保証」や「専有回線」といったオプションにより、多数の同時接続でも速度が安定し、重要なビジネスデータ通信を円滑に行えます。
専用回線であるため、一般的なトラフィックの影響を受けにくく、混雑時でも速度低下が抑えられるのがメリットです。

対照的に、個人向け回線はコスト重視の「ベストエフォート型」が主流で、回線共有のため時間帯によっては速度が低下する場合があります。

ビジネスには法人向けの高品位な回線が、個人利用には手軽で安価な個人向け回線が適しているといえるでしょう。

セキュリティレベル

法人向けのネット回線は、企業の重要な情報資産を保護するため、個人向けよりも高度なセキュリティ機能を提供しています
例えば、1台のルーターで業務用と来客用Wi-Fiネットワークを分離できるため、社内機密情報へのアクセスを制限し、安全を確保できます。

また、法人向け回線では、通信内容を暗号化するVPNに対応した機器を容易に導入することが可能です。
社外からのアクセスでも安全な通信経路を確保し、不正アクセスやデータ盗聴を防ぎます。

さらに、「固定IPアドレス」と組み合わせれば、特定の拠点間のみ通信を許可するアクセス制限を設けるなど、より強固なセキュリティ環境を構築できます。

UTM(統合脅威管理)のような複数セキュリティ機能を統合したソリューションの導入も容易で、多種多様なサイバー攻撃からネットワークを効率的かつ包括的な保護が可能です。

これらの充実したセキュリティ対策は、機密情報を取り扱う企業にとって不可欠であり、ビジネスの安全性を高める上で大きなメリットだといえるでしょう。

固定IPアドレスの有無

法人向け回線は、常に同じIPアドレスを使用できる固定IPアドレスのプランが多く用意されています
VPN構築や特定IPからのアクセス許可など、安定したサービス提供とセキュリティ強化に繋がります。

一方、個人向け回線は接続ごとにIPアドレスが変化する「動的IPアドレス」が基本で、固定IPはオプションか非提供が一般的です。

この違いは、Webサーバー公開やリモートアクセスなど、固定IPを必要とするビジネス用途において大きな差となります。

サポート体制

法人向けのネット回線は、業務への影響を考慮し、24時間365日対応の専用サポート窓口を設けているサービスが多く、いつでも相談可能です。

法人向けは専任の担当者 の配置や、通信障害時に技術者が現地訪問する「オンサイト保守」など、手厚く迅速なサポートが期待できます。
これにより、通信トラブルがビジネスに直結する企業でも、業務に与える影響を最小限に抑えることが可能です。

一方、個人向け回線は、サポートが平日の日中など、事業者の営業時間内に限定されるのが一般的です。
電話やメールでの対応が中心となり、緊急時でも問題解決に時間がかかることがあります。

ビジネスの継続性において、法人向けの手厚いサポート体制は重要な要素です。

帯域保証の有無

帯域保証とは、契約した最低限の通信速度(例:100Mbps)が常に保証される仕組みで、「ギャランティ」とも呼ばれます。
速度の保証がない「ベストエフォート型」とは明確に異なり、通信が混み合う時間帯でも速度が落ちず、安定した通信環境を維持することが可能です。

法人向け回線は、帯域保証がオプションサービスとして提供されていることが多いため、安定性を重視する企業も安心して利用できます

料金

法人向け回線は、個人向け回線よりも月額料金が高い傾向にあります

これは、通信の安定性、高度なセキュリティ機能、24時間365日のサポート体制など、ビジネス運営に必要な付加価値が反映されているためです。

契約形態規模料金
個人向け戸建て月額:約4,000円~6,000 円程度
集合住宅月額:約3,000円~5,000円程度
法人向け小規模オフィス・店舗月額:約5,000円程度〜
中規模以上のオフィス月額:約7,500円程度〜

上記はあくまで目安であり、契約するプロバイダー、回線速度、付加するオプションなどによって料金は変動します。

通信の安定性や手厚いサポートによる事業継続のリスク軽減を考慮すると、料金に見合った価値があるといえるでしょう。

法人向け・個人向けネット回線メリット・デメリット

インターネット回線選びでは、「事業の安定性を重視したい」「コストを最優先したい」など、自社にとっての優先順位を明確にすることが重要です。

優先順位の高い項目を、各回線のメリット・デメリットと照らし合わせることで、選択肢がある程度絞り込めるでしょう。

ここでは、法人向け・個人向けのメリット・デメリットを詳しく解説します。

法人向け回線

法人向け回線はビジネス利用を前提に設計されているため、個人向け回線にはない機能やサービスが用意されています。

ここでは、法人向け回線のメリットとデメリットについて、それぞれ見ていきましょう。

メリット

法人向け回線の大きなメリットは、安定した通信環境を確保できる点です。
自社専用の「専有型」プランが選択でき、帯域保証サービスも受けられます。
通信が混雑する時間帯でも速度が落ちにくく、安定稼働が求められるビジネスシーンに適しています。

また、固定IPアドレスの取得が可能である点も強みです。
これにより、セキュリティを強化したり、特定のIPアドレスからのアクセス制限を設けたり、自社でWebサイトやメールサーバーを構築・運用しやすくなったりします。

さらに、サービスによっては24時間365日対応のサポート窓口や、技術者が現地に駆けつける「訪問修理(オンサイト保守)」も提供されます。
万が一システム障害が発生しても迅速に復旧できるなど、事業継続性を高める手厚いサポート体制が整っている点も魅力です。

デメリット

法人向け回線は、個人向けに比べて月額料金やサービス料金が高くなる傾向があります
安定した通信環境や手厚いサポート、高度なセキュリティ機能が提供される反面、コストが増加するのです。

また、固定IPアドレスの取得など、多くのメリットがオプションサービスとして提供されるため、月額料金とは別に費用が発生します。
導入を検討する際は、必要なサービスを含めた総額がいくらになるのか、事前にしっかり確認することが重要です。

個人向け回線

個人向け回線は、主に家庭での利用を想定しています。
手軽さやコストパフォーマンスに優れるものの、安定性やセキュリティ面においては、法人向け回線に及びません。

個人向け回線のメリット・デメリットについても、詳しく見ていきましょう。

メリット

個人向け回線のメリットは、コストパフォーマンスの高さです。
月額料金は法人向け回線よりも安価に設定されており、特に集合住宅では、一本の回線を複数世帯で共有することにより、設備コストや利用料を低く抑えています。

また、多くのプロバイダーが実施するキャッシュバックや割引キャンペーンを活用すれば、初期費用や月額料金をさらに削減できます。
日常的なWeb閲覧や動画視聴などには十分な通信環境を低コストで利用でき、予算やライフスタイルに合わせて柔軟に選択できる点が魅力です。

デメリット

個人向け回線は、法人向けと比較して通信速度が安定しづらい点がデメリットです。
多くのユーザーで回線を共有する「ベストエフォート型」が主流のため、利用が集中する時間帯には速度低下が起こりやすくなります。

また、IPアドレスが接続ごとに変わる「動的IPアドレス」が基本であるため、固定IPアドレスを必要とするWebサーバーやVPN構築などの用途には不向きです。

さらに、サポート体制も法人向けより手薄な場合が多く、通信障害発生時の対応が遅れるなど、問題解決に時間がかかる可能性があります。
ビジネス利用を検討する際には、これらの点を考慮する必要があるでしょう。

ネットワーク回線は法人向けと個人向けどっちを選べばいい?

ここまで、法人向けと個人向けの違いとメリット・デメリットを解説してきました。
では、自社や自身のビジネスにどちらを選択するべきなのでしょうか。

ここからは具体的なケースを挙げながら、最適なネット回線を選ぶための判断基準をご紹介します。

コストを最優先する個人事業主・フリーランスの場合は「個人向け回線」がおすすめ

固定費を抑えたい個人事業主やフリーランスには、個人向け回線がおすすめです。
法人向けより月額料金が安く、キャッシュバックキャンペーンで初期費用も抑えられるため、手軽に導入できます。

メールや文書作成などの用途が中心で、通信の安定性や高度なセキュリティを重視しない場合には、コストメリットが特に大きいです。

ただし、事業拡大を念頭に置くのであれば、将来的に固定IPや強固なセキュリティが必要になる場合も考慮しておくと良いでしょう。

複数名で利用するオフィスや店舗の場合は「法人向け回線」がおすすめ

複数名で利用するオフィスや店舗では、法人向け回線がおすすめです。
オフィスや店舗では、従業員や顧客向けWi-Fiなど、多数が同時にネット接続するため、安定した通信が不可欠です。
帯域保証付きの法人向け回線なら、ピーク時でも速度が安定し、業務効率や顧客満足度を維持できます。

また、飲食店や小売店のようにPOSレジやキャッシュレス決済など、店舗運営がネット回線に依存している場合、トラブルが起こると売上や顧客に直結するため、安定性の高い法人向けが適しています。

法人向け回線は、24時間365日のサポートやオンサイト保守など、迅速な復旧サポートが用意されているため、障害発生時の業務への影響を最小限に抑えることが可能です。

Web会議やサーバー運用など安定性とセキュリティを重視する場合は「法人向け回線」がおすすめ

Web会議を頻繁に行う企業や、機密情報を扱う企業にも法人向け回線がおすすめです。

商談や社内ミーティングで映像や音声が途切れると、業務の進行が妨げられるだけでなく、取引先の信頼を損なう恐れがあります。
また、自社でWebサイトやサーバーを運用する場合や、顧客情報を扱う業務では、高度なセキュリティ対策が欠かせません。

法人向け回線であれば、他社の影響を受けにくい専有型回線を利用でき、通信の安定性を確保できます。
さらにVPNや固定IPアドレスを組み合わせることで、不正アクセスを防ぎ、安全な通信環境を構築できます。
その結果、重要なWeb会議を高品質で実施でき、機密性の高い業務にも安心して取り組めるでしょう。

まとめ

ネット回線の法人向けと個人向けの違いを多角的な視点から詳しく解説しました。
法人向け回線は、安定性やサポート体制が充実しており、オフィスや店舗での利用におすすめです。
料金は高めですが、事業の信頼性と継続性を守るためには重要な投資だといえるでしょう。

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