
ネットワークセキュリティ 2025.03.04
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ネットワークセキュリティ
近年、企業のサーバーはサイバー攻撃の標的となりやすく、情報漏洩や不正アクセスの危険性が高まっています。
標的型攻撃や無差別型攻撃など、攻撃手法が多様化・高度化しており、対策を怠ると企業の信用失墜や経済的損失につながるでしょう。
この記事では、企業が実践すべきサーバーのセキュリティ対策について、具体的な方法を詳しく解説します。
目次
企業のサーバーには、顧客情報や業務システム、機密データなどの重要な情報が保管されているため、サイバー攻撃の標的となりやすいです。
セキュリティ対策を怠ると情報漏洩や不正アクセス、システム停止といった被害が発生し、企業の信用失墜や経済的損失につながる可能性があります。
特に、近年のサイバー攻撃は多様化・高度化しており、その被害は年々増加しているのが現状です。
サーバーへの攻撃は、次のように大きく「標的型攻撃」と「無差別型攻撃」の2種類に分類されます。
攻撃手法 | 特徴 | 主な手法 |
標的型攻撃 | 特定の組織を対象にした攻撃。嫌がらせや情報窃取などの目的がある。 | ・サーバーへの不正アクセス ・データ改ざん ・サーバーダウン |
無差別型攻撃 | 不特定多数を対象とした攻撃。無差別に被害をもたらす。 | ・メールやWebサイトを通じた機密情報の漏洩 ・データの暗号化 |
実際に、トレンドマイクロ社の調査では、2024年のサイバー攻撃被害が587件にのぼり、2023年の383件と比べて約1.5倍に増加したことが明らかになっています。
こうした脅威が拡大する中、企業が安全に事業を継続するためには、サーバーのセキュリティ対策が必要といえるでしょう。
参考:2024年年間セキュリティインシデントを振り返る|トレンドマイクロ(JP)
サーバーのセキュリティを強化するためには、適切な対策を講じる必要があります。
企業が実践すべきサーバーのセキュリティ対策について、それぞれの対策の重要性やポイントを詳しく見てみましょう。
サーバーのセキュリティを強化するためには、まず本体の安全性を確保することが重要です。
サーバー自体が脆弱な状態では、不正アクセスやマルウェア感染のリスクが高まり、企業の重要なデータが漏えいする危険性があります。
適切な対策を講じ、サイバー攻撃からシステムを守りましょう。
OSやソフトウェアには、常に最新のセキュリティパッチを適用しましょう。
ソフトウェアの脆弱性を放置すると、攻撃者が不正アクセスやマルウェアの侵入経路として利用する可能性があるため、定期的にアップデートを実施することが重要です。
企業においては、パッチ管理ツールを導入し、複数のサーバーを一括で更新する仕組みを整えるとよいでしょう。
また、自動更新を設定することで適用漏れを防げます。アップデート後は、必ず動作確認を行い、不具合の有無をチェックしてください。
ファーストでは、ネットワークセキュリティやデータ保全に役立つ機器を取り扱っています。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。
ネットワークセキュリティ/データ保全が必要な理由|株式会社ファースト
サーバーのセキュリティを強化するには、ログ管理を徹底することも重要です。
ログ管理とは、サーバーやネットワーク機器のアクセス履歴や動作記録を監視し、異常な挙動を検知する仕組みを指します。
例えば、不正アクセスや異常なログイン試行が記録されている場合、サイバー攻撃のサインかもしれません。
定期的にログを分析し、疑わしいIPアドレスやアクセスパターンを特定することで、サイバー攻撃の早期発見、対応が可能になります。
サーバーの安全性を高めるには、アクセス権限を適切に設定しましょう。
未設定のまま運用すると、すべてのユーザーが機密データにアクセスできる状態になり、情報漏洩のリスクが高まります。
各ユーザーには業務上必要な範囲の権限のみを付与し、不要なアクセスを制限しましょう。
特に従業員の異動や退職時には、不要になったアカウントや権限を速やかに削除し、不正利用を防ぐことが重要です。
また、定期的な監査を実施し、不要な権限が残っていないかを確認することで、セキュリティを維持できます。
推測されやすいパスワードは、攻撃者によって簡単に解読されるリスクがあります。
パスワードを作成する際には、以下のポイントを意識しましょう。
・アルファベットの大文字・小文字、数字記号を含む12文字以上の長さで設定する ・名前や誕生日など、推測しやすい単語を避ける ・辞書攻撃を防ぐため、ランダムな組み合わせにする ・パスワードマネージャーを利用し、安全に管理する ・定期的にパスワードを変更し、過去のものは再利用しない |
これらの対策を徹底することで、サーバーのセキュリティ強化につながり、不正アクセスのリスクを軽減できます。
サーバーには、使用していないサービスやアプリケーションが残っていることがあります。
不正アクセスの入り口となるため、定期的に確認し、不要なものは削除しましょう。
また、必要なアプリケーションでも、未使用の機能がある場合は無効化することで、セキュリティリスクを軽減できます。
不要なアカウントを放置すると、不正アクセスのリスクが高まります。
特に、退職者のアカウントや一時的に作成したテスト用アカウントが残っていると、攻撃者に悪用される可能性があります。
定期的にアカウントの整理を行い、不要なものは削除しましょう。
適切なアカウント管理を徹底することで、機密データの保護につながります。
サーバーを守るには、ネットワークのセキュリティ対策も欠かせません。
具体的には、ファイアウォールや侵入検知システム(IDS)などの導入、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)の活用、脆弱性診断の実施などが挙げられます。
複数の対策を組み合わせることで、サーバーのセキュリティを強化し、サイバー攻撃を効果的に防げるでしょう。
ファイアウォールは、外部ネットワークと内部ネットワークの間に設置され、許可された通信のみを通過させるセキュリティシステムです。
不正アクセスやサイバー攻撃を防ぎ、ネットワークの安全性を確保できます。
ファイアウォールには「パケットフィルタリング型」や「ステートフルインスペクション型」などの種類があります。
ファイアウォールの種類 | 特徴 |
パケットフィルタリング型 | IPアドレスやポート番号をもとに通信の許可・拒否を判断する |
ステートフルインスペクション型 | 通信の状態を管理し、正規のセッションであるかを判断する |
適切なファイアウォールを選び、定期的にルールを見直すことで、より強固なセキュリティ対策を実施できるでしょう。
侵入検知システムや侵入防止システム(IPS)を導入すると、ネットワークのセキュリティを強化できます。
種類 | 特徴 |
侵入検知システム | ネットワーク上の通信を監視し、不正アクセスや異常な動作を検出する |
侵入防止システム | IDSの機能に加え、検出した脅威をリアルタイムで遮断する |
また、IDSには「ネットワーク型(NIDS)」と「ホスト型(HIDS)」があります。
それぞれ異なるセキュリティ対策を提供するため、環境に応じたシステムを導入しましょう。
Webアプリケーションファイアウォールは、Webアプリケーションを標的とした攻撃を防ぐセキュリティ対策です。
特に、以下のような攻撃に効果を発揮します。
Webアプリケーションファイアウォールは従来のファイアウォールでは防ぎきれない高度な攻撃を防御できるため、企業のWebサービスを安全に運用するために必要です。
適切な設定を行い、定期的にルールを更新して、Webアプリケーションのセキュリティを強化しましょう。
脆弱性診断は、システムやネットワークセキュリティ上の弱点を特定し、修正するためのシステムです。
脆弱性診断を定期的に行うことで、未知の脆弱性や設定ミスを早期に発見し、サイバー攻撃のリスクを軽減できます。
特に、機密情報を扱うサーバーでは、定期的な診断と対策の実施が欠かせません。
診断結果をもとに適切なセキュリティ対策を講じ、システムの信頼性と安全性を向上させましょう。
情報漏洩や不正アクセスを防ぐには、サーバーのセキュリティ対策を総合的に実施することが重要です。
近年、サイバー攻撃の手口は高度化しているため、複数の対策を組み合わせてセキュリティを強化しましょう。
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