Windowsに有料のウイルス対策ソフトはいらない?必要・不要なケースを解説

ネットワークセキュリティ

「ウイルス対策ソフトはもういらない」という意見を耳にすることが増えました。

これは、Windowsに標準搭載されている「Microsoft Defender」の性能が向上し、無料で利用できることが背景にあります。

しかし、サイバー攻撃は年々巧妙化・高度化しているため、使用環境や用途によっては追加の対策が必要です。

この記事では、ウイルス対策ソフトが必要とされる理由や、導入すべきケース・不要なケースについて詳しく解説します。

ウイルス対策ソフトはいらない?

日常的なインターネット利用では、必ずしもウイルス対策ソフトが必須とは限りません。
実際、Windows標準のセキュリティ機能が向上したことで「もういらないのでは?」という声も増えています。

しかし、個人情報やパソコン内のデータを確実に守るという観点では、導入しておくことで安心感が得られることも事実です。
では、なぜウイルス対策ソフトが不要とされるようになったのか、ここではその理由を解説します。

Windowsには標準のセキュリティ機能が搭載されているため

Windows OSには、「Windowsセキュリティ」というセキュリティ機能が標準で搭載されており、その中核を担うのが「Microsoft Defender」です。
この機能は、Microsoft 365へ加入していなくても、Windowsを使用していれば無料で利用できます。

Microsoft Defenderは、ウイルスやマルウェアの検出・隔離、ファイアウォールなど、基本的な機能は一通り揃っており、日常的なインターネット利用には十分対応できます。

外部のセキュリティソフトを削除すると、自動的にMicrosoft Defenderが有効になる仕組みであるため、最低限の保護が確保される点は安心材料といえるでしょう。

具体的には、以下のような機能が含まれています。

機能カテゴリ主な内容
ウイルス・マルウェア対策既知のウイルス・マルウェアをスキャンし、検出・隔離
リアルタイム保護ファイルやプロセスを常時監視し、不審な動きをブロック
クラウド保護最新の脅威情報と照合し、未知の脅威にも迅速に対応
ファイアウォールと
ネットワーク保護
ネットワーク経由の攻撃を検知・遮断するための保護機能
アプリとブラウザー制御危険なWebサイトやダウンロードのブロックなどを制御
デバイスセキュリティTPMやSecure Bootなど、ハードウェアのセキュリティ状態を確認
アカウント保護Windows Helloなどログインに関するセキュリティ機能を管理
デバイスのパフォーマンスと
正常性
パフォーマンスやバッテリー、記憶域の状態などをモニタリング

ルーターにより通信データが暗号化されるため

ウイルス対策ソフトが不要とされる理由の一つに、Wi-Fiルーターのセキュリティ機能の進化も挙げられます。
Wi-Fiルーターには、機器を区別するためのSSID(ネットワーク名)が設定されており、パスワードを入力することで接続されます。
適切にパスワードを設定しておくことで、第三者が無断でアクセスするのを防ぐことが可能です。

また、ルーターが通信データを暗号化するため、悪意のある第三者によるデータの窃取を防ぐ効果も期待できます。
特に、最新の暗号化規格である「WPA3」は、「SAEハンドシェイク」と呼ばれる技術によって、接続時のパスワードや暗号化キーのやり取りがより強固に保護されています。

これにより、第三者が通信に割り込む隙をなくし、より高いセキュリティを実現しているのです。

ウイルス対策ソフトが必要な理由

Windows標準のセキュリティ機能やWi-Fiルーターの防御機能が強化されたとはいえ、それだけでは防ぎきれない脅威が依然として残っています。
特に近年は、サイバー攻撃の手法が日々進化し、従来の防御策では対応しきれないケースも増えてきました。

ここでは、なぜウイルス対策ソフトが必要とされるのか、その理由を詳しく解説します。

サイバー攻撃がより巧妙化・高度化しているため

不審なアクセス件数

出典:令和6年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について

近年のサイバー攻撃は、手口の多様化・高度化が急速に進んでいます。
警察庁が発表した「令和6年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、標的型攻撃やランサムウェアなど、巧妙な手法を用いた攻撃の被害件数が年々増加しています。

特に、ファイルを暗号化して復元と引き換えに金銭を要求する「ランサムウェア」は、社会的インフラを狙うケースも報告されており、その影響は業務停止や情報漏洩など甚大です。

こうした高度なサイバー攻撃に対抗するには、標準的なセキュリティ機能だけでは不十分であり、より強固なセキュリティ対策として、ウイルス対策ソフトの導入が求められています。

標準のセキュリティ機能では対応できない脅威があるため

Windows標準のMicrosoft Defenderは、基本的なウイルス対策機能を備えていますが、あらゆる脅威に対応できるわけではありません。
具体的には、既知のウイルスやマルウェアの検出には比較的強い一方で、未知のウイルスや亜種の検知には限界があります。

また、巧妙なフィッシング詐欺や広告を装った悪質なサイト、不正なUSBメモリ経由での感染なども、Microsoft Defenderでは見逃されてしまう可能性があります。

これに対し、ウイルス対策ソフトでは次のような機能が搭載されており、より広範囲な保護が可能です。

 Microsoft Defenderソフトでの補完機能
未知のウイルス定義ファイルベース。
検知が遅れる可能性あり
AI・機械学習を用いた
未知ウイルスの予測・検知
フィッシング詐欺一部メールアプリでの対策のみメール・Webサイトのリアルタイムチェック&フィルタリング
有害広告・危険なサイトブラウザーによって対応が
分かれる
広告ブロッカーやWebサイト
評価機能を搭載
USBメモリからの感染接続後の手動スキャンが必要自動スキャン・不審なファイルの即時隔離

これらの機能によって、Microsoft Defenderではカバーしきれない領域を補強でき、より強固で多層的な防御体制を構築することが可能です。

ビジネスでは被害が重大化しやすいため

企業活動においては、顧客の個人情報や取引先との契約書、自社の知的財産といった極めて重要な情報を多数取り扱います。
これらの情報が外部に流出すると、業務の停止や損害賠償、信頼の喪失など、事業継続に深刻な影響を及ぼしかねません。

また、ランサムウェアによって基幹システムが暗号化・破壊されるといったサイバー攻撃も多発しており、復旧にかかる費用や時間だけでなく、サプライチェーン全体に混乱を招き、社会的信用を大きく損なう事態も想定されます。

さらに、グローバルに事業を展開する企業は、情報セキュリティに関する法規制への厳格な対応が不可欠です。
例えば、EUのGDPRでは、ファイアウォールの設置やソフトウェアの定期的な更新、データの暗号化が義務づけられています。

万が一違反した場合、最大で2,000万ユーロ、または前会計年度の年間売上高の4%という巨額の制裁金が科される可能性があります。

このように、企業のセキュリティ対策は単なるリスク回避ではなく、経営の必須条件として位置づけるべきフェーズとなっているのです。

ウイルス対策ソフトが必要・不要なケース

ウイルス対策ソフトは、インターネットの使用環境や目的によって必要性が異なります。
ここでは、ウイルス対策ソフトが必要なケース・不要なケースを、それぞれ具体的に確認していきましょう。

ウイルス対策ソフトが必要なケース

インターネットを通じた脅威は、使い方次第で大きく変化します。以下のような状況に当てはまる場合は、標準機能に加えたウイルス対策ソフトの導入が必要になるでしょう。

ビジネスでパソコンを使う場合

仕事でパソコンを使用している場合、ウイルス対策ソフトの導入は欠かせません。
顧客情報や機密情報を含む業務を行う以上、情報漏洩が起こる可能性はゼロではないためです。

標準搭載されているセキュリティ機能だけを頼りにした場合、巧妙なマルウェアやランサムウェアを防ぎきれないケースもあり、被害が広がれば信用失墜や業務停止にもつながる可能性があります。
トラブルを未然に回避するためにも、ウイルス対策ソフトの導入を含め、多角的なセキュリティ対策の実施が求められます。

特に企業の包括的なセキュリティ対策を進めたい場合は、UTM(統合脅威管理)の導入がおすすめです。
UTMとは、ファイアウォールやアンチウイルス、不正侵入検知・防御(IDS/IPS)など、複数のセキュリティ機能を一つの機器に統合したネットワークセキュリティシステムです。

UTMを社内ネットワークの出入り口に設置することで、外部からの不正アクセスや脅威の侵入を一元的にブロックし、同時に内部から外部への意図しない情報漏洩の防止にもつながります。

複数端末やクラウドを併用している場合

自宅や職場のパソコン、スマートフォンなど複数の端末で同じファイルを扱っている場合、ウイルス感染のリスクはさらに高まります。
例えば、クラウド上のファイルが1台の端末で感染すると、同期を通じて他の端末にも拡散してしまう恐れがあります。

特にセキュリティ対策が甘い個人用の端末が感染源となり、業務データ全体が危険に晒されるケースも考えられるでしょう。
クラウド連携が当たり前の今だからこそ、各端末に適切なウイルス対策が必要です。

ネットバンキングやオンラインショッピングを利用する場合

ネットバンキングやオンラインショッピングは生活に欠かせないサービスですが、金銭的な被害にあうリスクもあります。
これらのサービスを安全に利用するには、より強固なセキュリティ対策が不可欠です。

具体的には、ウイルス対策ソフトに搭載されているパスワード管理機能を活用することで、推測されにくい複雑なパスワードを安全に一元管理でき、危険なパスワードの使い回しを防げます。

また、セキュアブラウザ機能を使用し、通信を暗号化することで、偽サイトへのアクセスを遮断するため、より安全な環境で個人情報を入力できます。
セキュリティ機能を積極的に使いこなし、大切な資産を守りましょう。

ネットゲームをする場合

オンラインゲームを楽しむ際にも、ウイルス感染のリスクは存在します。
特に、非公式のソフトやパソコンゲームの改造データをダウンロードする場合、それらにウイルスが潜んでいるケースも少なくありません。

ユーザーの中には、ゲームの動作を軽くするために、ウイルス対策ソフトを無効にする方もいます。
しかし、セキュリティ対策を怠るとリスクが高まることになり、万が一にも感染すると、アカウントが乗っ取られアイテムを盗まれたり、登録したクレジットカード情報が漏洩したりする事態が起きかねません。

最近では「ゲームモード」や「サイレントモード」など、プレイ中の負荷を軽減しつつ、保護を続ける機能を搭載した軽量なウイルス対策ソフトも登場しているため、活用すると良いでしょう。

頻繁にファイルをダウンロードする場合

インターネットからファイルを頻繁にダウンロードするユーザーは、マルウェア感染のリスクが高まります。
ウイルスが潜んでいるファイルを実行するとパソコンが感染し、個人情報やパスワードが盗まれたり、ランサムウェアによってデータが暗号化されたりするかもしれません。

ウイルス対策ソフトには「マルウェア検知機能」が搭載されており、ファイルをダウンロードした時点でスキャンを実行し、悪意のあるコードを検知・ブロックしてくれます。
安全にインターネットを利用するためには、こうした自動防御機能を備えたソフトを利用することが効果的です。

ウイルス対策ソフトが不要なケース

すべてのユーザーが、ウイルス対策ソフトを導入しなければならないというわけではありません。
使用環境や利用目的によっては、Windows標準のセキュリティ機能だけでも十分な場合があります。

続いて、ウイルス対策ソフトが不要と考えられる代表的なケースをご紹介します。

インターネットの使用がWeb検索や動画視聴にとどまる場合

パソコンの利用が、主にWeb検索や動画視聴などに限定される場合、追加のウイルス対策ソフトは必須ではありません。
例えば、インターネットでの調べ物や、動画を視聴する程度であれば、Windows標準搭載のセキュリティ機能で十分に対応できます。

ただし、ネットショッピングやファイルのダウンロード、メールのやり取りなど、インターネットの利用範囲が広がる場合、ウイルス対策ソフトが必要です。
ウイルス対策ソフトは新種の脅威への対応が早く、安全な通信を支援する機能も充実しているため、導入することで安心感が高まるでしょう。

パソコンを主にオフラインで使用する場合

パソコンをインターネットに接続せず、オフラインで利用する場合も、ウイルス対策ソフトの導入は必須ではありません。
例えば、年賀状印刷や文書作成、写真管理などは、インターネットを介さない作業であれば、外部との通信が発生しないため、感染リスクは比較的低くなります。

ただし、ウイルスやマルウェアが入り込んでくる経路はインターネットだけではありません。
USBメモリやスマートフォンの接続を介して、他の場所で感染したマルウェアが意図せず持ち込まれる危険性があります。

オフラインがメインでも、Microsoft Defenderは常に有効にし、最新の状態にしておくことが重要です。

まとめ

ウイルス対策ソフトの必要性は、パソコンの使用目的や環境によって異なります。
日常的な利用であれば、Windows標準のセキュリティ機能でも一定の効果が得られますが、ビジネス利用や複数端末での連携、オンライン取引を行う場合は、追加のウイルス対策ソフトが必要です。

株式会社ファーストでは、UTMやエンドポイントセキュリティなど包括的なソリューションを提供しています。
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自社のセキュリティ対策を強化したいとお考えの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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